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Teploobmen’s diary

興味のあること、調べたことなど、雑多にまとめていきます。調べている内容の途中経過を書くこともあります。

日本はハイパーインフレになる

 さて、GWをいかがお過ごしだろうか。私は非リアなので読書やゲームに勤しんでいる。ところで、私はGWに入る前からある本を読んでみたいと思っていた。それが「貯蓄率ゼロ経済」という本だ。

 

  というのも、cardmics様が運営しているブログで、次のような記事があったためだ。

cards.hateblo.jp

 一人暮らしの貯蓄額の中央値が20万円というのは、一人暮らしの方の50%は貯蓄額が20万円以下ということを意味する。まさに貯蓄率ゼロへ突き進んでいるといえるだろう。

 では、なぜ貯蓄率ゼロになり、また貯蓄率がゼロになるとどのような問題が発生するのだろうか。内容を見ていこう。

 なお、Amazonには2011年発売のものが記載されているが、私が所有しているものは2002年に刊行されたものであり、やや内容が異なるかもしれない点については注意していただきたい。

 ちなみに、この本の筆者が以下のような記事を執筆しているため、概要の把握だけなら本を手に取る必要はないだろう。

toyokeizai.net

 

 1.日本経済と貯蓄

1.1.戦後~オイルショック

 戦後から高度経済成長までの期間、日本の貯蓄額は積み重なっていった。著者によれば、これは「日本人は貯金好きだから」ではなく、単に当時は社会保障がきちんと整備されておらず、自分で老後資金を賄う必要があったためだそうだ。

 しかし、同時に日本は急速に工業化が進む過程であり、設備投資や労働者の雇用が盛んだった。つまり、企業には大きな資金需要があった。

 そこで、家計で積み上がった貯蓄は次のような流れを経ることになった。

 家計→銀行→企業

 つまり、一般的に知られるように貯蓄が企業の設備投資資金を賄っていたのである。

 

1.2.オイルショック以後

 ところが、オイルショック以後、企業は設備投資を控えるようになってしまう。言い換えれば貯蓄された資金の借り手がいなくなったのである。

 しかし、オイルショックによる経済の停滞は同時に政府が赤字国債を発行することによる景気刺激策を誘引した。これにより、資金の借り手は企業から国になったのだ。

 

2.貯蓄率がゼロになる理由

2.1.「団塊の世代」の引退

 まず、最大の貯蓄主体だった団塊の世代が引退し、今後貯蓄をする人よりは貯蓄を取り崩していく人が増えていく。これが、貯蓄率が下がる一つの要因となる。

 

2.2.若者の減少

 団塊の世代が貯蓄を取り崩す以上に若者が貯蓄を積み上げていけば大きな問題にはならないが、なにより母数が違う。若者の数は団塊の世代より少ないため、若者がどれだけ貯蓄に励んでも団塊の世代が取り崩す分には追いつかない。

 

2.3.小括

 つまり、貯蓄を行うはずの若者が減り、逆に貯蓄を取り崩す高齢者が増えることにより、日本全体としては貯蓄率が下がる。場合によっては日本の家計が抱えていた貯蓄は目減りしていくことになる。つまり、貯蓄率はマイナスになる可能性すらあるとしている。また、この本の中では触れられていないが、若者の賃金が伸び悩んでいること、貧富の格差の拡大も影響しているかもしれない。

 

3.影響

3.1.貯蓄率ゼロ経済の直接的影響

3.1.1.消費

 では、貯蓄率がゼロになることによってどのような影響があるのだろうか?高齢化により消費もどんどん減っていくのだろうか?違う。貯蓄率がゼロに近づいていくということは、経済全体で見れば所得が増えなくとも収入の殆どが消費に回ることになる。

 

3.1.2.設備

 では、需要が大きくなるのに合わせて、生産能力を強化することはできるだろうか。答えはNoだ。先程も記した通り、企業は実質的に家計から資金を調達していたがそれができなくなるためとされている。

 

3.1.3.小括、インフレの発生

 これらにより、需要は大きいが、それに供給が追いつかない状況、つまりインフレが発生することになる。

 

3.2.インフレによる影響

3.2.1.円安

 では、仮にインフレになったとしてそれがどう影響するだろうか?インフレというのは通貨の価値が相対的に落ちることを意味する。もちろん、多少の物価上昇ならば円高要因だが、度を越したインフレは通貨安の要因だ。俗に「悪い円安」と言われる。

 

3.2.2.高金利

 また、国内の資金のみでは政府、企業の資金需要を賄うことができないため、必然的に海外から資金を調達する必要があるが、その際には海外の金利よりも金利を高くしなければならない

 例えば、日本の10年債の金利は現状アメリカの10年債の金利は2.4%程度だが、少なくともこれよりは高い


source: tradingeconomics.com

 


source: tradingeconomics.com

 

 ちなみに、企業の資金調達金利国債金利で決まる部分も多いため、企業はより高い金利を支払うことになるだろう。

 

4.まとめと感想

 というわけで、一概にこれからの日本はデフレだとは言えないということがわかった。しかし、本自体が古いため、特に日銀の影響を中心として検証し直すべきことが多いのもまた事実だ。

 ただ、この本の内容が現実化すれば、高金利によって企業の収益が圧迫され、賃金は伸び悩むが物価は上がっていくスタグフレーションになる可能性もある。そういえば以前読んだ「団塊の秋」でもそれを匂わす部分があったな。

 現状、国債の最大の買い手は日銀になっているが昨日付けの日経新聞では日銀の純資産が積み上がっていることと同時に、日本国債の買い手がつかなくなっているという報道がなされている。

www.nikkei.com

www.nikkei.com さて、日銀が金融緩和をやめたときに国債を買ってくれる人はいるのだろうか。今後注視していく必要がありそうだ。