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Teploobmen’s diary

興味のあること、調べたことなど、雑多にまとめていきます。調べている内容の途中経過を書くこともあります。

EU圏内を襲う深刻なインフレ

 ECBによる利上げ観測が広まっている。

 ECBのメルシュ理事は、東京における講演で、「ユーロ圏の景気回復は一段と底堅さを増しつつある。総じて均衡したリスク見通しを確認できる日が視野に入った」と語った。

www.bloomberg.co.jp

 また、5月2日にはノボトニー・オーストリア中銀総裁が、緩和の出口戦略について言及している。

jp.reuters.com

 しかし、ECBは昨年12月に事実上のテーパリングを決定したばかりだ。

www.nikkei.com

 どうしてこうも矢継ぎ早に政策を打ち出すのだろうか。

1.EUの経済状況

 そもそも、ECBは2009年の金融危機以降、2%の物価上昇を目標として様々な政策を行ってきた。当初は、方々から「実現は困難」と指摘されてきた。

jp.reuters.com

 しかし、ついに事態が打開されつつある。

www.bloomberg.co.jp

 EU圏内の4月のインフレ率は実に1.9%と、ECBの目指す2%の物価上昇に大きく近づいている。

 

 しかし、何か違和感を覚えないだろうか。次のグラフを見てほしい。インフレ率が改善したのはこの数ヶ月間の間での出来事だ。むしろ、それまではデフレ基調だった。どうしてこんなにも劇的なインフレが起きたのだろう?


source: tradingeconomics.com

  

 

2.インフレの原因

 では、なぜこんなにも急激にインフレが起きたのだろうか。

 少し前の記事だが、原因はエネルギー価格の急進と伝えられている

jp.reuters.com

 ただ、次のグラフを見ると、インフレ率が急上昇した期間の数か月前から原油価格は横ばいであり、少なくとも「原油価格の上昇」が影響したわけではなさそうだ(もちろん、グラフの表記方法に問題があるかもしれないが)

 
source: tradingeconomics.com

 

 では、なぜエネルギー価格は急上昇したのだろうか?ヒントは「インフレが目立ち始めたのは11月ごろ」ということだ。

 そう、トランプ現象により、ユーロが下落したのだ。事実、インフレ率の上昇した時期とユーロの上昇した時期は概ね一致している。

 
source: tradingeconomics.com

 

 つまり、ユーロが下落したことにより、輸入の多いエネルギー価格が上昇した、と捉えるべきだろう。

 

3.ECBの方策

 つまり、インフレの原因は通貨安によるものであることがわかった。この問題を解決するには金融政策の変更が適当だろう

 しかし、気にかかる事がある。ギリシャなど南欧の失業率が未だ高止まりしている点だ。

 
(左軸:ギリシャ失業率 右軸:スペイン失業率)source: tradingeconomics.com

 だが、ギリシャなどもインフレに見舞われている。これを普通に解釈すれば今ヨーロッパはスタグフレーションなのでは無いだろうか?このような高い失業率を示す国がある中、本当に金融政策を変更しても良いのだろうか?

 今後綿密に調べていきたい。