Teploobmen’s diary

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疑問視される次の利上げ

 アメリカの次の利上げは来年かもしれない―それがマーケットの予想のようだ。

 知っての通り、FRBは今月中旬に利上げを行いった。合わせて、年内にFRBの資産圧縮ともう一度利上げをすると表明した。

www.nikkei.com

 しかし、マーケットを分析してみると、年内の利上げはもう無いという考えが過半を占めている。

 

 

1.市場の予想

 Fedwatchを見てみると、今月12月時点で利上げを行っていない可能性のほうが高く見積もられている*1。もちろん、数%の違いしか無いが、FRBが散々勧告しているにもかかわらず市場は次の利上げを織り込んでいないということになる。

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 なお、1回目の利上げをおこなう確率のほうが高くなるのは、来年3月である。

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 つまり、アメリカは何らかの原因で利上げを思いとどまらざるを得ないと予想されていることになる。

 

2.原因

 ではその原因は、といえば明らかにインフレ率の低下だ。インフレ率及びインフレ期待率は2月にピークをつけ、その後下落傾向にある。

 
(右軸:インフレ率、左軸:インフレ期待率 source: tradingeconomics.com)

 だが、いずれもFRBの誘導目標である2%を超えており、これだけ見ても2016年よりはインフレの進行を疑問視する必要は無いように思える。事実、イエレン議長は労働市場の力強さに触れ、今後のインフレ進行を確実視した。他の

 だが、今年投票権を持たないセントルイス連銀のブラード総裁は、「足元のインフレ指標は想定外に下振れしている」とした上で、「政策金利の一段の調整に踏み切る前に、経済の成行きを見守ることが可能だ」と述べた

 また、「インフレ率は近く大きく上昇するか? 現在の失業率とインフレとの関係に関する予測に基づくと、答えはノーだ」とも述べている。

 また、最近の経済指標は弱気なものが多いこともあり、今後アメリカのインフレが継続するかどうか疑問視されている。

 

3.考察

 以上のことから、長期金利の上昇が伸び悩んでいるのは、インフレ期待が低いためと考えることができる。

 では、ブラード総裁の意見は正しいのだろうか?

 まず、賃金上昇率とインフレ率は、あまり強い相関が見られない。ただし、最近の低下傾向のみに関しては強い相関がある。だが、イエレン議長が主張するようなインフレへの寄与が見られるようには思えない。


source: tradingeconomics.com 

 

 今回、このインフレの原因について明確な答えは得られていないが、一つだけ気がかりなことがある。まず、近年までインフレ率と逆相関を示していたドルインデックスが、何故か強い相関がある点だ。


(昨年1月まで source: tradingeconomics.com)


(昨年1月以降 source: tradingeconomics.com)

 通常、通貨高は輸入価格の低下をもたらし、輸入価格の低下はインフレ率の低下につながるはずだが、この傾向が見られない。

 もう一点はガソリン価格だ。こちらはアメリカのインフレ率と高い相関があったのだが、2015年11月ほどから以前ほどの相関がなくなってきている。

 
source: tradingeconomics.com


source: tradingeconomics.com

 これらの減少の原因は不明だ。分かり次第こちらにまとめていきたい。

*1:合計が100%にならないが、これは金利先物から自動計算しているため、利上げが2回以上あるという確率も算出されているためである。だが、FRBは年内に3回目以降の利上げを行う意思がないため、除外した