Teploobmen’s diary

興味のあること、調べたことなど、雑多にまとめていきます。調べている内容の途中経過を書くこともあります。

日本の自動車産業は、危ない

Fuel cell(燃料電池)はFool cell(愚かな電池)

ーテスラCEO イーロン・マスク

 

 

 

 中国やインドにとどまらず、フランス・イギリスなどの先進国も、電気自動車利用への舵を切り始めたことは記憶に新しい。

business.nikkeibp.co.jp

www3.nhk.or.jp

 

近年、電気自動車や燃料電池車など、新しい形態の自動車が普及し始めている。だが、この潮流は自動車産業、ひいては日本の基幹産業を根底から揺るがしかねない状態となっている。

jbpress.ismedia.jp

 

 

 

1.燃料電池車とは

  燃料電池車は、主に水素などの燃料を発電の活性物質にしてモーターを回す自動車だ。主に、トヨタなどが強みをもつ。

toyota.jp

  また、トヨタは水素に関する特許を無料公開している。デファクトスタンダードが狙いだろう。

www.nikkei.com

 さらに、日産はバイオエタノールを用いた燃料電池車を発明している。

 

www.nikkei.com

 ところでバイオエタノールが環境にやさしいって言うけど実際は多段蒸留工程が必要になるので結果的に石油を燃やしているんですがまあそんなことはどっちだって良いんだ重要じゃない*1

 

2.電気自動車とは

  逆に、電気自動車は二次電池に充電した電気でモーターを回す。

 要するに、電気自動車と燃料電池車の違いは、電気をその場で作るか、貯めて使うかだ。

 

3.普通自動車との違い

 上で紹介した自動車は、どちらもモーターを利用したものだ。それが、何を意味するのだろうか。

 まず、当然だがエンジンは必要ない。

 続いて、多段変速機が必要なくなる。

www.webcartop.jp

 

 では、上記の違いが何を意味するのか。日本の自動車産業の優位性が小さくなってしまうのだ

日本の自動車製造業は、エンジンやトランスミッションといった複雑な工業製品における先進的な技術によって高い競争力を保ち、日本の基幹産業として長らく経済発展を支えてきた。しかし、電気自動車は内燃機関自動車と比べて単純な構造であるため製造の難易度は比較的低く、技術力に劣る新興メーカーに向いた製品ともいえる。

電気自動車時代に競争力を失わないために|日本総研

 

数万点の部品をジャスト・イン・タイムで調達し、自社工場で完成車に一気に組み立てる「擦り合わせ」はトヨタ自動車を筆頭とする日本車メーカーの競争力の源泉だった。

 しかし、部品点数が格段に少ないEVでは相対的に「擦り合わせ」の重要性が低下。参入障壁が一気に下がった。メンテナンスも簡単になり、大がかりなディーラー網も不要になった。

 

 日本の自動車業界は、これを回避するために、水素社会の実現を目指しているフシがある。水素技術は、燃料電池(特に触媒)そのもの、水素の保管・補給などに高度な技術を要する。したがって、日本の技術の優位性を活かせる可能性が高い。逆を言えば、輸送のインフラを新たに築かなければならず、敷居が高い。

 

 

 だが、よくよく考えれば、インドなどの新興国は、ただでさえインフラが未整備な地域が多いのに、この上水素専用のインフラを築かなければならないのは敷居が高い、という事情もあるように思う。また、現代の生活を支える電力網を整備すれば、そのまま自動車が走れるようになるというメリットも有る。もちろん、十分な電気の供給が不可欠だが。

 

4.日本の自動車産業がヤバイ理由

 日本としては、水素自動車が普及したほうが都合が良いだろう。しかし、現実は厳しい。

 最大の理由は2つのコストだ。

 前述したとおり、新たなインフラが必要となる分、コストが掛かる。

 もう一つは自動車自体のコストだ。電気自動車は技術の容易さから参入障壁が低い。その結果、価格競争・技術競争が進み、品質の高い自動車が安く供給されていく仕組みが出来上がる公算が高い。

 一応、燃料電池車は航続距離で優位であるとされており、日本の自動車産業はここで生き残りを図っているようだ。また、充電に時間がかかってしまうのも電気自動車のデメリットである。しかし、電池自体を交換する仕組みが2014年の段階で構築され始めており、この優位性がいつまで行き続けるかは疑問だ。

jp.autoblog.com

 また、電池自体も発展を遂げている。。これについては次回以降まとめてみたい。

 

 もちろん、デザイン、品質保証体制*2など、日本が自動車産業で競争できる部分もまだ残っているだろう。

 

 だが、中国企業は次々に新規参入し、挑戦し、そして淘汰され、強いものだけが生き残った結果、品質の高いもの、デザインに優れるものを作れる企業が残っていった。この傾向は半導体産業、ゲーム産業、スマホ産業、所謂「ドローン」産業*3などの分野などで顕著だろう。多少品質が悪くても大量に作り、徐々に品質を上げていく姿は、かつての日本の姿だったはずだが・・・

 

 

5.自動車産業は再定義の時代へ

 トヨタもようやくヤバイと思ったのか、数日前にこんな記事が出ている。

jp.autoblog.com

 ただ、テスラの「電池ステーション」の仕組みに対抗できるかはわからない。

 だが、テスラの「バッテリー交換ステーション」の仕組みのほうが一枚上手だろう。記事中にもある通り、この仕組自体が商品になる。つまり、自動車は次のような大変革が起こることになる。

 

既存の自動車産業:自動車を作って売る

これからの自動車産業:電池を交換できる場所を売る

 

 ぶっちゃけ燃料電池車は前者の考え方に近いだろう。だが、テスラは電気自動車に関する特許を開放していることを見ると、どうも後者の考え方に近いようだ。後者が支配的なバイアスとなれば、自動車産業はその仕組み自体が揺らいでしまう。そうなったとき、日本は生き残れるのだろうか。

 どうも、スマートフォンに駆逐された日本の「高性能携帯電話」を回想してしまうのだが私だけだろうか・・・ 

*1:例えば、木材を用いたバイオエタノールの製造方法について三井造船

*2:というか「日本の製品は品質が高い」という場合の「品質」ってどの品質なんですかね。以外に日本製品も品質が低いものは多いですよ

*3:ドローンって言葉は結構定義が曖昧なので嫌いです