Teploobmen’s diary

興味のあること、調べたことなど、雑多にまとめていきます。調べている内容の途中経過を書くこともあります。

【ロシア】好調なようで怪しい影

 ロシア中銀が利下げを続けている。

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 1.概要

 ウクライナ危機以降、欧州から加えられた経済制裁によるインフレは収束を迎えたことが要因のようだ。経済が安定化したことにより、ロシアは利下げを行うことができるようになった。

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  この利下げが功を奏すれば、ロシア経済は復活していき、株価の上昇が見込めるだろう。だが、そのような中、不穏なニュースが幾つか浮上している。それは、ベイルアウト、つまり銀行への実質的な破綻措置だ。

 最近ベイルアウトが行われた銀行はアトクリティエ(Открытие)とB&Nの2行。それぞれ資産規模はロシア4位、12位と、かなり大きな銀行だ。アトクリティエは、無理な買収を行って規模拡大をしてきたが限界が来たこと、ここ数年間の景気悪化による不良債権の増加、預金の引き下ろしが相次いだことなどがあるようだ。また、B&Nも不良債権の増加が直接的な原因だそうだ。

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 現状、上記の2項はすぐにベイルアウトを行ったことから、ただちにロシア経済に影響することは無いという。だが、銀行が破綻するということは経済に対して悪影響を及ぼす可能性がある。

 一般的に、好調な経済は以下のようなサイクルが伴う。いわゆる経済の好循環と呼ばれるものだ。

 

 借入↑→現金の流通量↑→投資・消費↑→物価↑→経済↑→借入↑

 

 ここで必要となる借入金は、銀行から賄われる。だが、この銀行の抱える債権が不良債権化し、現金が回収できなくなると話が変わる。このような時、銀行は現金を自らの手元に置くため、貸出を控えたり、あるいは無理に貸出を回収したりしなければならなくなる。いわゆる「貸し渋り」「貸し剥がし」といったものだ。当然、これは借入金を減らすため、上のサイクルを逆回転させる。

 

 借入↓→現金の流通量↓→投資・消費↓→物価↓→経済↓→借入↓

 

 

 今回、不良債権が増加した背景を見れば、今後上記の2行は貸出先をしぼり、債権回収に力を入れることになるだろう。だが、そもそも不良債権が増加した背景は、景気悪化による企業業績の低下だ。他行が連鎖破綻することは考えられないが、他の銀行もベイルアウトぎりぎりの水準であるということは大いに考えられる。

 

 また、今回利下げを行ったこともじわじわと影響してくるかもしれない。通常、利下げは金利を引き下げ、借入をしやすくすることによって経済の好循環を生み出すことをもくろんでいる。

 だが、銀行にこの原資がない、あるいはこれ以上貸出が行えないとなれば話が変わってくる。むしろ、金利の低下は銀行の収益を圧迫してしまい、銀行は債権の回収を強化せざるを得なくなるかもしれない。

 

 今度上場しているロシアの銀行の財務諸表を見てみたいと思う。今日はこのへんで